甲南大学は、(国研)日本医療研究開発機構(AMED)の支援などを受けて、環境の「酸素濃度」と生物の「低温適応」に関する研究成果を発表した。温度変化に対する適切な応答メカニズム(温度適応機構)は、生体内の多数の細胞からなるネットワークが情報処理することによって制御されており、ヒトの温度適応機能の解明は難しいと思われている。同大の研究チームは、古くから分子遺伝学的解析に使用されている「線虫(C.エレガンス)が温度低下を感じ取り、さらなる温度低下に向けて生体内で準備を行う仕組み(低温馴化)を解析した。その結果、1)ヒトの心臓病などに関与しているとされる機構「カリウムチャネル」の変異体が低温馴化「異常」を示し、2)それが「飼育空間の大きさ」に影響されること、3)低温馴化異常の空間依存性にはADLと呼ばれる温度受容ニューロンが関与しており、ADLは別の酸素受容ニューロン(URX)と神経回路を作り、これらが連携して低温耐性および適応を調節していることが示唆された。
情報源 |
甲南大学 ニュース
日本医療研究開発機構 プレスリリース |
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機関 | 甲南大学 日本医療研究開発機構 |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | 日本医療研究開発機構 | 甲南大学 | 温度適応機構 | 線虫 | C.エレガンス | 低温馴化 | カリウムチャネル | ADL | 温度受容ニューロン | 酸素受容ニューロン |
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