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 国環研など、東南アジア島嶼部の森林火災に伴うCO2放出量を高精度推定

発表日:2021.07.15


  国立環境研究所と気象庁気象研究所の研究グループは、東南アジア島嶼部(インドネシア、マレーシア等)で2015年9~10年に発生した大規模火災起源のCO2放出量を正確に見積もることに成功した。近年、エルニーニョ現象の発生に伴う異常気象、深刻な干ばつが多発しているが、大陸部に比べて観測地点が少ないことから、島嶼部の火災起源CO2放出量評価の精度向上が求められていた。同研究グループは、日本航空(株)などと共に、2005年から航空機による大気CO2濃度の高頻度観測プロジェクト「CONTRAIL」を実施しており、国立環境研究所は、トヨフジ海運(株)が運航する貨物船を用いた広域観測に取り組んでいる。今回、航空機と貨物船の現場観測データ、NICAMと呼ばれる大気シミュレーションモデルに基づき、CO2濃度の連続記録データからCO2放出量を「逆解析」した結果、推定精度の検証とCO2放出量の正確な推定が可能となった。同地には炭素に富み、不完全燃焼を起こしやすい「泥炭」が広く分布しており、CO2のシミュレーション結果と貨物船で観測している「CO」の実データを照合することで、この手法の精度が裏付けられた。当時のCO2放出量は、本邦の年間放出量に匹敵する273 TgCと見積もられている。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所 気象庁気象研究所 
分野 地球環境
キーワード 日本航空 | エルニーニョ現象 | 泥炭 | CO | CONTRAIL | NICAM | CO2放出量 | トヨフジ海運 | 大気シミュレーションモデル | 逆解析
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