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 国環研など、ナノプラスチック標準物質の作製法を開発

発表日:2021.11.02


  国立環境研究所と三菱ケミカル(株)の研究チームは、ナノプラスチック(直径1 µm未満)の定量分析などに役立つ標準物質の作製に成功した。マイクロプラスチック(直径1 µm~5 mm)よりも小さなナノプラスチックによる環境汚染が進行していると考えられている。しかし、環境中のナノプラスチック存在量は未だ解明されておらず、毒性試験は限られた樹脂のみで行われてきた。同研究チームは、こうした課題を克服するために、標準化可能なナノプラスチック粒子の合成手法開発に取り組んだ。今回、5種の汎用樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン)について、不純物を導入せずに、樹脂溶液と樹脂の非溶媒を混合した結果、球状ナノスケール粒子を析出できることが明らかになった。当該粒子は市販のポリマーと同等のポリマー分子量、結晶化度、融点等を有することも確認されている。今後、新たな定量分析法の開発や毒性試験の実施を進めつつ、粒子の形状やサイズの制御、生産効率の向上に加え、多様な粒子の作製を目指した改良を重ねることで、立ち遅れていたナノプラスチック研究の大幅な進展が期待できるという。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所 三菱ケミカル(株)
分野 ごみ・リサイクル
健康・化学物質
キーワード 毒性試験 | マイクロプラスチック | 海洋プラスチック | ナノプラスチック | 定量分析 | 曝露リスク | 汎用樹脂 | 球状ナノスケール粒子 | 標準物質 | 標準材料
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