千葉大学を中心とする研究グループは、化学物質濃度が極めて低い室内環境がリラックス効果の向上につながることを実証した。シックハウス症候群が問題視されて久しいが、主因と考えられている規制対象物質「揮発性有機化合物(VOC)」の間接的・心理的な影響を定量化することは困難であった。同研究グループは、住環境と居住者のリラクゼーションに焦点を当て、内外装の見た目や環境が同等で化学物質濃度だけが異なる2棟の実験住宅棟を築造し、様々な年齢や性別の計 169 名を対象とした90分間の滞在実験(計算や暗記作業:20分間、休息・安静および脳波測定:10分間、寛ぎながらのアンケート回答:60分間)を実施した。滞在実験は盲検法(ブラインドテスト)で行われ、事前に被験者の体温、血圧、アレルギー反応、ストレス状況なども確認している。アンケートを集計分析した結果、「化学物質濃度が極めて低い」実験棟を選好した被験者は、滞在中の室内臭気・空気環境・リラックス状態を高く評価していることが明らかになった(一般的な住環境比)。また、休息時にα波が増加する者の割合が増えることも分かった。住宅におけるVOC濃度の低減は、シックハウス症候群の予防策として有効であるとともに、リラックス効果を高めることが裏付けられたという。
情報源 |
千葉大学 ニュース・イベント情報
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機関 | 千葉大学 千葉大学予防医学センター |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | VOC | 揮発性有機化合物 | アンケート | 臭気 | リラックス効果 | シックハウス症候群 | 滞在実験 | 脳波測定 | ブラインドテスト | α波 |
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