(独)物質・材料研究機構は、同機構半導体材料センターの阿部主任研究員らの研究チームが、従来材料に比べ約10倍の熱凝集耐性を備えた排ガス触媒材料を開発したと発表した。自動車排ガス清浄化などに使われる「金属触媒」は、熱によって触媒同士が接着・融合し、触媒表面で反応を進める原子(触媒活性点)が減少するため、触媒活性が失われる「熱凝集」という課題を抱えており、現行技術では、熱凝集による触媒活性低下を補うため、レアメタル(白金、パラジウム、ロジウムなど)が大量消費されている。同研究では、熱凝集に対する高い耐性を備えた金属触媒として、直径100 分の1 mm 程度の大きさを持つ中空の金属球体「メタリック・セル」を開発。この触媒材料は、1000分の1 mm 程度の細孔を介して排ガスをセル内部に吸引し、清浄化後に再び外部に排出するため、高温条件下で触媒同士の表面が接着・融合しても、優れた触媒特性を長期間にわたって発揮する。これにより、排ガス清浄化技術などの環境・エネルギー技術におけるレアメタル使用量の大幅な削減を可能にするという。
情報源 |
(独)物質・材料研究機構 プレスリリース
同上 詳細版(PDF) |
---|---|
機関 | (独)物質・材料研究機構 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | 排ガス処理 | 白金 | 触媒 | レアメタル | 物質・材料研究機構 | 自動車排ガス | パラジウム | ロジウム | 熱凝集 |
関連ニュース |
|