ハイブリッド車(HV)

ハイブリッド車(HV、Hybrid Vehicle)とは、エンジンと電気モーターといった異なる複数の動力源を搭載した自動車のことです。それぞれの利点を組み合わせることで、低燃費と低公害を実現しています。

1997年12月にガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた世界初の量産型ハイブリッド車が日本で販売開始され、その低燃費性が話題を呼びました。その後、各社間の競争、車種の拡大、購入時の補助金や車検時の減税などの制度面の後押しもあって、現在では日本で新車登録される乗用車の3台に1台以上がハイブリッド車となっています。

ハイブリッド車の普及は、自動車への電気駆動系の導入という大きな需要を作り、電気自動車自体の低コスト化や燃料電池自動車の実用化への道を拓く役割も果たしてきました。ここではハイブリッド車の技術を解説し、その将来を展望します。

※掲載内容は2016年3月時点の情報に基づいております。
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1. ハイブリッド車とは

ハイブリッド車(HV、Hybrid Vehicle)とは、エンジンと電気モーターなど動作原理の異なる複数の動力源を搭載した自動車のことです。ハイブリッドは、元々は遺伝学の言葉で、種や品種が異なる両親から性質を受け継いだ交雑種という意味もあります。

ハイブリッド車は、エンジンと電気モーターそれぞれの特長を生かし、重量増とコスト増のデメリットを上回るメリットをめざして開発されました。

1.1 ハイブリッド車の歴史

ハイブリッド車は、自動車史のごく初期にも登場しています。ドイツのゴットリープ・ダイムラーやカール・ベンツがガソリン自動車の製造販売を始めた19世紀末、同じくドイツのフェルディナント・ポルシェ博士は世界初のハイブリッド車「ローナー・ポルシェ」を完成させ、自らこれを駆ってレースに参加し、1900年のパリ万国博覧会にも出展しました。

このハイブリッド車は、エンジンで発電機を回して電気を起こし、その電気をホイール内蔵のモーターに供給して車両を駆動する「シリーズ方式」(後述[3. ハイブリッド車の駆動方式])のハイブリッド車でした。この後、ポルシェ博士は1つのエンジンで2つの発電機を回し、4つのモーターを駆動する、世界初の4輪駆動車も開発しています。

しかし、20世紀の主流となったのは、ハイブリッド車ではなくガソリンエンジンやディーゼルエンジンで走る自動車でした。もともとガソリンなど液体の炭化水素は、エネルギー密度が高いことに加え、輸送や貯蔵などにおいて扱いが容易な燃料です。ガソリンエンジンの急速な性能向上と、石油産業の発展による供給網の拡大により、ガソリン車は急速に普及しました。

そもそも、ハイブリッド車は、エンジンに加え、バッテリーやモーターなどの重量の大きい部品を搭載することになります。重量増は加速性能など走行性能の低下を招き、コストも高くなります。日本でも1970年代に東京都営バスで、低公害車としてハイブリッド車の試験走行が行われましたが、本格導入にはつながりませんでした。

1.2 量産型ハイブリッド車の登場

1997年にトヨタ自動車から、ガソリンエンジンとモーターによる世界初の量産型ハイブリッド車が発表されました。

同クラスのガソリン車に比べ、大幅な燃費改善を実現し、価格を約50万円高に抑えたことで、日米で大ヒットし、エコカー(低燃費・低公害車)の代表的な存在となりました。

これを追うように、国内外の多くの自動車会社がハイブリッド仕様の車種を発表し、小型から高級車まで多くのラインナップが出揃いました。

近年の日本の自動車市場では、月別販売ランキングのトップをほぼハイブリッド車が占めており、登録される新車の3台に1台以上がハイブリッド車となっています。販売ランキング上位も軽自動車またはハイブリッド仕様のラインナップを持つ車種で占められています。

図1 ハイブリッド車の保有台数の推移(各年度末時点)
自動車検査登録情報協会データと主要メーカへのヒアリング調査等により算出した各年度末時点の推定値。以下のデータをもとに作成。
出典:一般社団法人次世代自動車振興センター「EV等保有台数」
http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai.html

2. ハイブリッド車の燃費

ハイブリッド車はエコカーの代表的な存在です。ここではCO2排出量の削減に直結する燃費に絞って解説します。

2.1 燃費ランキング

国土交通省では、2004年より市販車の燃費を公開しています。この年の燃費の良い乗用車ベスト10では、1位がインサイト(ホンダ)、2位がプリウス(トヨタ)、3位がシビックハイブリッド(ホンダ)と、いずれもハイブリッド車が上位を独占しました。

2015年末時点で販売されている乗用車の燃費ベスト10でも、普通乗用車の上位をハイブリッド車が占めています。また、もともと燃費が良くハイブリッド対応車種の少ない軽自動車であっても、ベスト10に6車種(ただしモーター駆動をしないマイクロHV、後述[4. 多様化するハイブリッド車])が入っています。

表1 燃費の良い乗用車ベスト10(2015年末市販車)
青文字はハイブリッド車、茶文字はディーゼル車

出典:国土交通省「平成27年に販売した『低燃費乗用車ベスト10』及び『自動車燃費一覧』を公表します!」表1 http://www.mlit.go.jp/common/001125328.pdf

2.2 燃費とは

そもそも燃費とは、日本の場合、自動車が1L(リットル)の燃料でどれだけの距離を走行できるかの指標となる数値で、単位はkm/Lです。数字が大きくなるほど「低」燃費となり、走行距離あたりのCO2排出量も小さくなります。

道路の種類と運転の仕方によって燃費は大きく変化するため、自動車そのものの性能を知るには、共通の走行パターンが必要となります。

現在、標準的な走行パターンとして使われているのが「JC08モード」であり、その際の燃費が「JC08モード燃費」と言われています。

JC08モード燃費は、エンジンが冷えた状態からの始動や十分暖機が終了してからの走行を組み合わせて導出され、走行パターンには都心部の小刻みな発進停止、郊外部での高速走行など、実際の走行条件に近い状態を模擬した測定が行われます。実際の測定は、新型車の販売前に必要な「型式指定審査」の際に行われ、このときの数値が国土交通省審査値としてカタログ等に記載されます。

かつては、この指標に「10・15モード燃費」が用いられてきましたが、2011年4月以降に型式指定審査を受ける自動車では、より実走行状態に近いJC08モード燃費が用いられています。JC08モード燃費は10・15モード燃費より数値が1割前後小さくなっています。

燃費の良さがもたらすランニングコストの安さへの期待や実感が、ハイブリッド車の人気を支えてきました。2015年末に発売された4代目プリウスでは燃費が40.8km/L(グレードE 、JC08モード燃費値)と40km/Lの大台を超えています。

2.3 低燃費の理由

それではなぜ、ハイブリッド車のほうがエンジンだけのガソリン車より燃費が良くなるのでしょうか。一般に自動車は、他の条件が同じなら、車両重量が軽いほど燃費は良くなります。

ハイブリッド車は、エンジン車の通常装備に加えて、電気モーターやバッテリーなどの重量のある部品を搭載するため、同クラスのガソリン車に比べ車両は重くなっている一方で、燃費は良くなっています。このことを理解するには、ガソリンエンジンと電気モーターのそれぞれの特長と、自動車の加速時や減速時に何が行われているかについて知る必要があります。

図2 ハイブリッド車の走行パターン
出典:一般社団法人次世代自動車振興センター「ハイブリッド自動車」
http://cev-pc.or.jp/kiso/hibrid1.html

加速時

まず、ガソリン車の加速時について考えてみます。ガソリンエンジンには、燃焼エネルギーを運動エネルギーに変える効率が最も良い回転域が存在し、低回転域ではその効率が下がります。手動変速か自動変速かを問わず、ガソリン車はなるべく効率の良い回転域を利用できるようエンジンの回転数を一定の範囲に維持しつつ、変速機を使い、変速比の大きいギヤから小さいギヤへと切り替えながら、効率良く出力を得て加速します。

一方、電気モーターは、回転数によって効率が変わることはエンジンに比べると比較的少なく、低回転域で大きな力を出すことができます。そのためハイブリッド車は、多くの場合、発進時は電気モーターを積極的に使うことで効率を高めています。

減速時

ガソリン車では、エンジン回転抵抗を使うエンジンブレーキと、ディスクやシューの摩擦力による機械式ブレーキを併用して減速します。いずれの場合も、車両の運動エネルギーは最終的に熱エネルギーに変換され、車外に捨てられます。

一方、電気モーターでは、減速時に「回生」を行います。もともと「回生」は、鉄道用語で減速時に発生した電力を架線に返すことを指しますが、ハイブリッド車では得られた電力を蓄電装置(多くは、バッテリー)に蓄えることを意味します。

ちょうどジェットコースターが位置エネルギーと運動エネルギーを交換しながら走るように、ハイブリッド車は運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、またその逆を行いながら走行します。駆動モーターを発電機として利用する場合や、回生専用を発電機を備える場合があります。

発進停止を繰り返す市街地や、アップダウンの激しい山間地の走行の場合であっても、回生を行うことでエネルギーの利用効率が向上します。燃料がもともと持っていた化学エネルギーを直接運動エネルギーに変換する(エンジン)だけでなく、いったん電気エネルギーに変換(発電)してから運動エネルギーに変換する(モーター)ことで、トータルのエネルギー変換の効率を上げるわけです。

エネルギー収支のみで単純化すると、「ハイブリッド車は、ガソリン車が熱として捨てていたエネルギーも回収して再利用するため、燃料の消費量が抑えられ、結果として燃費が良くなる」ことになります。

頻繁な加速・減速を行う市街地の走行パターンでは、ハイブリッド車は大きな燃費改善が見込めますが、一定の速度で長距離を走行する場合、減速エネルギーの回収ができず、むしろハイブリッド化による重量増という負の要因のためにあまり大きな効果が期待できません。

3. ハイブリッド車の駆動方式

ハイブリッド車には、動力源であるエンジンとモーターのほか、それを支えるバッテリー(駆動用の蓄電池)、発電機(モーターと共通の場合もある)、インバーター(直流を交流に変換する装置)などが搭載され、低燃費や低騒音、低公害の実現のために、積極的な制御が行われます。

エンジンとモーターをどのように組み合わせるかにより、「シリーズ方式」「パラレル方式」「スプリット方式」の3つの方式があります。

3.1 発電しながら走る「シリーズ方式」

エンジンは発電のためだけに使用し、駆動用の動力源としてモーターを使用するのが「シリーズ方式」です。いわば、発電しながら走る電気自動車(EV)と言えます。

また、燃料電池自動車(FCV)は、シリーズ方式のエンジンを燃料電池(発電機)に置き換えたものであり、レンジエクステンダー(走行距離を伸ばすための充電専用の小型エンジン)を搭載したEVも、シリーズ方式のハイブリッド車の一種ということもできます。

図3 シリーズ方式
出典:一般社団法人次世代自動車振興センター「ハイブリッド自動車」
http://cev-pc.or.jp/kiso/hibrid1.html

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3.2 エンジンが主の「パラレル方式」

パラレル方式のハイブリッド車は、エンジンを主体にしつつモーターを併用します。二つの動力源がいずれも直接車両を駆動することからこう呼ばれます。 大きな駆動力が必要となる発進時や加速時には、モーターが主に駆動を担当し、エンジンは効率の良い使われ方ができる定常走行時等を担いつつ、ときには充電の動力源として使われます。

低速時はモーター、高速走行時にはエンジンと、駆動力を使い分けることでエネルギー効率を高めます。減速時には「エネルギー回生」を行います。

図4 パラレル方式
出典:一般社団法人次世代自動車振興センター「ハイブリッド自動車」
http://cev-pc.or.jp/kiso/hibrid1.html

3.3 複雑な制御の「スプリット方式」

エンジンとモーターを併用する「パラレル方式」のうち、さらに細かな使い分けの制御を行う「スプリット方式(またはシリーズ・パラレル方式)」が、現在のハイブリッド車の大勢を占めています。この名称は、エンジンの動力を車輪と発電機の両方に振り分ける「動力分割機構」を備えていることによるものです。エンジンやモーターの負荷、電池残量などに応じて、エンジンとモーターを積極的に制御し走行します。

図5 スプリット方式
出典:一般社団法人次世代自動車振興センター「ハイブリッド自動車」
http://cev-pc.or.jp/kiso/hibrid1.html

4. 多様化するハイブリッド車

普及にともない、ハイブリッド車にはさまざまなバリエーションが生まれています。モーターの関与する度合いにより「マイクロHV」「マイルドHV」「ストロングHV」の3つに分類されています。また、バッテリーの容量を増やし、家庭のコンセントや急速充電器から充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)も登場しています。これらについて、以下に説明します。

4.1 モーターの関与度による3分類

減速エネルギーを回生することで得た電力(回生電力)を、主にアイドリングストップからの再始動やカーナビ等の電装機器に使用するのが「マイクロHV」と呼ばれるタイプです。比較的小型の発電機を使うため、燃費改善の効果は限定的ながら、付加的なコストや車両重量への影響が小さく、軽乗用車に多く見られます。たとえば、スズキのワゴンR(S-エネチャージ)、日産自動車のセレナ(S-HYBIRD)などがあります。

モーターの関与をさらに高めたのが「マイルドHV」です。回生電力の機能に加え、加速時にモーターで駆動力をアシストすることで、走行性能を向上させます。既存の車種にハイブリッド車のラインナップを加える場合には、このタイプが多く見られます。たとえば、スズキのソリオなどです。

さらに強力なモーターと大容量のバッテリーを搭載し、モーターのみでの走行を可能にしたのが「ストロングHV」です。いわばパートタイムの電気自動車とも言えます。このタイプは当初からハイブリッド車として開発設計された車種がほとんどです。

図6 マイクロHV、マイルドHV、ストロングHVの違い
出典:大野栄嗣(トヨタ自動車CSR・環境部)「トヨタの次世代車の取り組み」(第3回「平成21年度環境対応車普及方策検討会」資料)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mlt_roadmap/comm/com02-03/mat03-2.pdf

4.2 家庭で充電できる「プラグインハイブリッド車」

「ストロングHV」の発展型として、外部電源に接続し走行用バッテリーを充電できるハイブリッド車「プラグインハイブリッド車」が登場しています。搭載するバッテリー容量を増やし、20数kmから数10km程度の、1日の平均的な走行距離をカバーすることを目的とした車両が市販されています。

100Vや200Vの家庭のコンセントから充電する車種(トヨタ自動車のプリウスPHV)のほか、電気自動車専用に作られた急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」にも対応する車種(三菱自動車のアウトランダーPHEV)が存在します。

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5. ハイブリッド車を取り巻く動向

補助金や減税など、エコカー普及のための制度面でのサポートが継続して実施されています。また、ハイブリッド車を支える技術の周辺には、社会的経済的な問題も存在しています。ここではそれらについて解説します。

5.1 エコカー減税と補助金

自動車は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」において、エネルギー効率の向上が求められる「特定エネルギー消費機器」と位置づけられており、省エネ法に基づき燃費基準が設定されています。

この燃費基準は「トップランナー基準」と呼ばれるもので、現在商品化されている自動車のうち、最も燃費性能が優れている自動車をベースに、技術開発の将来の見通しなどを踏まえて設定されます。

これまでに「平成17年」「平成27年」「平成32年」をターゲットとして自動車の重量別に燃費基準が設定され、燃費改善の取り組みを促進するさまざまな施策が実施されてきました。

エコカー減税の制度は「排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて、自動車重量税と自動車取得税を免税・軽減」するとして、2009年度から始まりました。これは、2006年度からスタートしていたグリーン税制の特例と位置づけられるものです。

また、新車購入時の購入費用の一部を補助するCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金は、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車を対象に支給されています。

さらに、エコカーに対する独自の優遇策を設けている地方自治体もあります。

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5.2 原料供給に関わる問題

ハイブリッド車には、電装品や制御系の電源として通常のエンジン車に搭載されている鉛蓄電池のほか、走行用バッテリーとして、ニッケル(Ni)水素電池やリチウム(Li)イオン電池が搭載されています。また、モーターに使われる永久磁石には、ネオジム(Nd)を主成分とする強力な磁石が使われています。ここには高温域での性能低下を避けるため、少量ながらジスプロシウム(Dy)という金属も付加されています。

これらの金属はレアメタルやレアアースと呼ばれ、資源量として希少な元素であり、産地も偏在しており、産出量や価格は政治経済的要因に大きく左右されます。

こうした問題はモーターとバッテリーを搭載する電気自動車や燃料電池自動車などにも共通ですが、生産台数が最も多いハイブリッド車がまず直面する問題となっています。

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5.3 ライフサイクルアセスメント(LCA)による環境影響評価

LCAとは、製品の原材料調達、製造、使用、廃棄というライフサイクルすべてを見通して、各段階での環境影響を定量的に見積もる手法です。ガソリン車と比較した場合、ハイブリッド車はモーターやバッテリーなどの機器があるため、製造時やリサイクル時の環境負荷は大きくなります。しかし、高い燃費性能のため、長く使用し長距離を走るほど、単位距離あたりの環境への負荷は低下するものと考えられます。

5.4 パワー半導体の高性能化への期待

ハイブリッド車のモーターは交流電流で駆動されるため、バッテリーに蓄えた直流電流を交流に変換するインバーターが不可欠になります。回生には、この逆の働きをするコンバーターが必要となり、いずれもその心臓部にはパワー半導体(パワートランジスタ、ないしパワーデバイス)と呼ばれる電力を扱う部品が使われており、その変換効率や耐電圧性能、放熱性能が、システム全体の効率に大きく影響します。

これまで使われてきたMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)に代わる、高性能のパワー半導体としてSiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)の半導体の研究開発が進められています。

引用・参考資料など

[1] Porsche Cars North America. Press Release: Prof. Ferdinand Porsche Created the First Functional Hybrid Car. 2011, http://press.porsche.com/news/release.php?id=642, (accessed 2016-02-01).

[2] Kjartan Bergsson. The first Hybrid Vehicle by Dr. Ferdinand Porsche. 2005, http://www.hybrid-vehicle.org/hybrid-vehicle-porsche.html, (accessed 2016-02-01).

[3] トヨタ自動車. GAZOO.com よくわかる自動車歴史館:自動車誕生から今日までの自動車史(前編). https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_001.aspx, (参照 2016-02-01).

[4] 一般社団法人次世代自動車振興センター. EV等保有台数. http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai.html, (参照 2016-02-15).

[5] 国土交通省. 平成16年燃費の良いガソリン乗用車ランキング. http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090223_.html, (参照 2016-02-01).

[7] 国土交通省. 平成27年に販売した『低燃費乗用車ベスト10』及び『自動車燃費一覧』を公表します!. 2016-03-30. http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000163.html, (参照 2016-10-13).

[7] 国土交通省. 燃費測定モードについて. http://www.mlit.go.jp/jidosha/sesaku/environment/ondan/fe_mode.pdf, (参照 2016-02-01).

[8] トヨタ自動車. プリウス. http://toyota.jp/prius/, (参照 2016-02-01).

[9] 一般社団法人次世代自動車振興センター. ハイブリッド自動車. http://cev-pc.or.jp/kiso/hibrid1.html, (参照 2016-02-01).

[10] トヨタ自動車. 環境技術:テクノロジーファイル. http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/environment/technology_file/, (参照 2016-02-01).

[11] 本田技研工業. Hondaテクノロジー図鑑 IMA. http://www.honda.co.jp/tech/auto/engine/honda-ima/, (参照 2016-02-01).

[12] 大野栄嗣. トヨタの次世代車の取り組み. 第3回「平成21年度環境対応車普及方策検討会」資料. 2010-02-04. http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mlt_roadmap/comm/com02-03/mat03-2.pdf, (参照 2016-02-01).

[13] 国土交通省. 主な施策等:環境対策. http://www.mlit.go.jp/jidosha/kankyo.html, (参照:2016-02-01).

[14] 一般社団法人次世代自動車振興センター. http://www.cev-pc.or.jp/, (参照:2016-02-01).

[15] トヨタ自動車. The MIRAI LCAレポート. 2015. http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/low_carbon/lca_and_eco_actions/pdf/life_cycle_assessment_report.pdf, (参照:2016-02-01).

[16] ローム. SiCパワーデバイスとは?:SiC半導体の特徴. エレクトロニクス豆知識. http://www.rohm.co.jp/web/japan/sic_what1-j, (参照:2016-02-01).

[17] 富士電機. パワー半導体. http://www.fujielectric.co.jp/products/semiconductor/index.html, (参照:2016-02-01).

[18] パナソニック. セミコンダクターソリューションズ:GaNパワーデバイス. http://www.semicon.panasonic.co.jp/jp/products/powerics/ganpower/, (参照:2016-02-01).

[19] トヨタ自動車. Global Newsroom トヨタ自動車、新素材SiCパワー半導体搭載車両の公道走行を開始. 2015-01-29. http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/5725437, (参照:2016-02-01).

(2016年3月現在)
2009年6月:掲載
2016年10月25日:改訂版に更新