アメリカの科学者チーム、クリプトンを用いた新しい測定法により12万年前の南極氷の年代測定に成功
発表日:2014.04.21
アメリカの科学者チームは、クリプトン(Kr)の放射性同位体を用いた新しい測定法により、12万年前の南極の氷標本の年代確認に成功した。炭素を使う放射性同位体年代測定法は氷床コアには使えなかったが、Krは化学的に極めて安定し、半減期が約23万年と長い希ガスで、氷の年代測定が可能である。放射性同位体Kr81の大気中濃度が極めて低いために測定が難しかったが、2011年に、非常に感度の高い原子計数器が開発された。研究チームは、これを使って南極テイラー氷河で採取した氷標本のKr年代測定を実施し、12万年前のものと判定。これを、年代のはっきりしている同時期の氷床コアの大気中メタン及び酸素の測定結果と比較して正確性を確認した。この測定法により、古い氷の年代確認が可能になり、地球気候をさかのぼって再現できるようになるという。また、約80万年前に氷河期の周期が4万年から10万年へと変化(中期更新世遷移)した原因が、大気中のCO2濃度の変化だとする仮説の検証にもつながるという。
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