国連環境計画、自然資源を慎重に管理しなければ持続可能な開発目標の目的は達成できないと警告
発表日:2015.07.06
国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル(IRP)は、持続可能な開発目標(SDG)実現のための政策を検討した報告書を発表し、2030年までに極度の貧困を解消するという根本的目標の達成には、健全な生態系を守り自然資源を慎重に管理すること、政策を一体的に計画・実施することが不可欠だと警告した。著名な専門家・科学者と各国の政府・国際機関等で構成され、自然資源の有効かつ効率的な使用についての評価を行うIRPの報告によると、世界の年間資源採取量は1900年の約70億トンから2009年には680億トンに増え、生物資源への圧力も急増して重要な生態系の自己再生能力を損なうほどの劣化が進んでいるという。そして、現在準備中の2015年以降のSDGについて、17の目標案全体では資源の競合につながるおそれがあるとし、自然資源関連のSDG相互の関係、相乗作用、矛盾点を分析し、目標実施のための政策形成の際に考慮するよう求める。さらに、生産システムの転換だけでは効果が限定されるので、消費パターンなどの需要側の対策も必要だとしている。