国連環境計画(UNEP)、『地球環境概況4(GEO-4)』を発表
発表日:2007.10.25
国連環境計画(UNEP)は、『地球環境概況4(GEO-4)』を発表し、地球上の気候変動や生物種の絶滅、人口増加と食糧不足などの問題は未解決のままであり、人類の脅威であると警告を発した。GEO-4は、環境に関する国連の最も包括的な報告書であり、環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)の報告書『われら共有の未来(Our Common Future)』(1987年)が発行されてから20年目にあたる今年、約390人の専門家による執筆と、1,000人以上のレビューによって刊行された。同書では、今日の地球上の大気、土地、水、生物多様性の現状とその経済・社会・政治的背景について、1987年からの変化を記載するとともに、問題解決に向けた対策の優先度や、2050年までのシナリオを提示している。同書によると、環境問題のうち比較的単純な問題については世界各地で主要政策として取り組みが進んでいるものの、複雑で深刻な問題は依然残されたままであり、人類の生存に脅威を与えるものとして緊急の対策が必要であるという。特に気候変動は世界的な最優先事項であり、2050年までの温室効果ガスの大幅削減に向けて、政策的な意思決定とリーダーシップが必要であるとしている。また、現在、人間一人あたりが必要とする資源量(土地面積にして21.9ヘクタール)は、生物学的に見た資源量(同15.7ヘクタール)を超過しており、将来の持続可能な発展のためには、政府主導の取り組みとともに、一人ひとりのライフスタイルを含めた社会経済構造の変革が必要であるとしている。