世界保健機関、エルニーニョ現象で途上国の少なくとも6000万人が危機と警告
発表日:2016.01.22
世界保健機関(WHO)は、2015~2016年のエルニーニョは1997~1998年の同現象に匹敵して近年で最悪との予測から、熱帯の途上国では少なくとも6000万人が健康被害の危機にあると警告した。エルニーニョは熱帯太平洋の中・東部の海面水温が上昇する現象で、世界各地の降雨や気温に影響を及ぼす。特に自然災害に脆弱なアフリカ、アジア太平洋、中南米の熱帯地域では、干ばつや洪水、気温上昇等が大規模に発生し、食糧不足や栄養不良、水不足、病気発生等の原因となる。健康被害は、対策能力が不足する途上国で特に深刻で、例えば、アフリカ東部のタンザニアでは大雨・洪水により1万2000人超がコレラに感染し、ソマリア付近では壊滅的な干ばつに続く大雨で媒介生物性疾患(マラリア等)への感染リスクに、南西太平洋、中米等では干ばつと深刻な水不足に、それぞれ直面しているという。エチオピアなど7か国からの支援要請額は既に7600万ドルに達した。WHOは疾病監視等、エルニーニョへの準備・対応の強化で健康被害の予防・緩和は可能だとし、関係機関と支援を実施している。
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