ドイツ、希少な野生植物種を都市で育てる新プロジェクトを開始
発表日:2017.04.04
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、耕作などの土地利用や都市化などにより生育地が減り絶滅が危惧される野生の植物種を都市の住民が育てる「都会と多様性」プロジェクトを開始する。ポツダム、ベルリン、マールブルクの各植物園とドレスデン環境センターが、地域の希少種の中で庭でも育てやすい種を選び、種子から栽培する。増やした苗は住民に配られ、庭やバルコニー、箱庭で育てられたのち、必要に応じて自然の中の生息場所に戻される。このプロジェクトによって約80種の絶滅に瀕している野生植物が保護されることになる。またこのプロジェクトには、行動に結び付けられる環境教育や情報提供を多くの人々に行い、生物多様性に対する意識啓発と自然保護活動への参加を促すという側面もある。都市に住む人々が希少な野生植物ホソバナデシコなどを育てることで、生物多様性への興味や理解の向上につながるという。BMUBは、このプロジェクトに対し今後4年間で110万ユーロを支援し、連邦自然保護庁(BfN)が専門的な部分での支援を行う。