ドイツ連邦環境省、在来種との共栄栽培で生物多様性の保全との健全な農業を目指すプロジェクトを支援
発表日:2018.03.13
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、農地の生物多様性を保全しつつ、自然な農法による持続可能なバリューチェーンを創出する新たなプロジェクトを支援する。これは、エンドウマメの単一栽培を希少な在来種であるカメリナとの共栄栽培へ転換するもので、南ヘッセン州の建築塗料メーカーDAW SEが実施、BMUBは2022年までに70万5000ユーロを支援する。カメリナは、生長が非常に早いため雑草を抑制するが、除草剤の使用に敏感な植物で、絶滅危惧種として国内の有用植物レッドリストにも掲載されている。共栄栽培を行うと、マメの単一栽培では不足していた花蜜を補い、昆虫が集まる生物豊かな農地にするという。初年度は80ヘクタールで開始し、その後年々拡大し2022年までに1000ヘクタールとする計画である。さらに、この栽培から販売までに必要なバリューチェーンを構築、最適化することもプロジェクトの目標である。この中で得られるカメリナ油は、塗料工場で使用されている環境負荷の大きい原材料と長期的に置き換えるほか、釉薬、木油、ラッカーなどの製品に生産することもできる。