サンゴ礁を健全に保つために、サンゴ内部のコミュニケーションが不可欠
発表日:2009.05.28
サンゴは、内部に住む藻類と高度なコミュニケーションシステムを持ち、この複雑な関係が上手く機能しないと生存できないという研究成果が、2009年5月29日付けサイエンス誌に発表された。こうした生物学的コミュニケーションシステムは地球規模の変化の影響を受けており、その崩壊がサンゴの白化現象やサンゴ礁生態系の破壊の背景にあるという。この研究はオレゴン州立大学のウェイズ氏らによるもの。サンゴの内部に住む藻類は、炭素を固定し、光合成によって糖類を生産してサンゴに提供する一方、サンゴが排出する窒素を栄養分として得ている。この共生関係は、藻類からサンゴへの微妙なコミュニケーションの上に成り立っているが、ウェイズ氏によれば、水温の上昇といったストレスがサンゴにかかるとコミュニケーションが断たれ、藻類はサンゴの免役システムに攻撃されてしまうという。ただし研究者らは、サンゴや藻類には多くの種類があり、海水の温度上昇や酸性化といった環境の変化に適応できるような組み合わせも発見できるのではないかと期待している。
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