欧州環境庁、欧州水域の化学物質の複合効果への対策強化を呼びかけ
発表日:2019.01.16
欧州環境庁(EEA)は、欧州の地表水中の化学物質の現状に関する報告書を発表した。報告書は、EU水枠組み指令(WFD)できわめて有害な化学物質としてモニタリング優先物質に指定されているもののうち、カドミウム、鉛、ニッケル、農薬のクロルフェンビンホス、シマジン等の湖沼や河川等地表水中の存在量はこれまでの排出規制によりかなり減少したと評価する。しかしその一方で、残された課題として、優先物質のうち水銀、臭素系難燃剤の削減と、単独では無害な濃度の化学物質が他の物質と混合して有害となる複合(カクテル)効果に対する取組みをあげている。淡水1検体中に低濃度の化学物質が数百種検出されるのは通常で、地表水中の化学物質は、他の排出化学物質だけでなく天然の鉱物塩や有機物、下水や農業排水中の栄養塩とも混合する。報告書は、EUの規制は化学物質の複合効果について近年の科学的知見を反映していないとして、排出データの把握、発生源を特定できない汚染のモニタリングやモデリング、報告体制の改善を求めている。
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