東アジア海域環境管理パートナーシップ、統合型沿岸管理による生物多様性保全の成果を報告
発表日:2019.01.24
東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)は、東アジアでの過去25年間にわたる統合型沿岸管理(ICM)の成果を報告した。報告された47の事例のうち、インドネシアのバリ島に隣接するスランガン島では、1990年代後半に観光地として大規模な埋立事業が行われ、2002年までに周辺サンゴ礁の37.9%が死滅した。漁場が破壊され生活の手段を失った漁師は、環境負荷が高い漁法や観賞用のサンゴ販売を行うようになった。同島は2004年にICM試験事業地に指定され、地域主体のサンゴ礁保全やエコツーリズムの推進が行われ、持続可能な経済活動に結びついているという。また、中国北部の黄河では1960年代以降の灌漑とダム建設の増加によって、流量と流送土砂が減少し、渤海の塩分濃度の上昇や海岸線の改変が引き起こされた。それにより一部魚種は地域から姿を消し、魚卵密度は1982年から2008年にかけて30%低下した。現在はモンスーンを模倣して人為的に貯水を流すことで、渤海の塩分濃度が低下し、魚類の産卵率は回復しているという。
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