世界資源研究所、気候に適応し自然に根ざした解決策を拡大する必要性を指摘
発表日:2020.05.21
世界資源研究所(WRI)は、自然が莫大な経済的利益と気候変動への耐性をもたらす能力を持っているにもかかわらず、多くの国は気候に適応し、自然に根ざした解決策を十分に活用していないと報告した。パリ協定の下で拠出金の提供が定められた167カ国のうち、このような自然に根ざした解決策を採用するのはわずか70カ国に過ぎず、その大半は低所得国であった。しかし、天然のマングローブ林は波の衝撃を吸収することで海岸を洪水と浸食から守ってくれるだけでなく、成熟したマングローブは1ヘクタールあたり1,000トン近く炭素を蓄えることができ、気候変動の緩和に貢献する。他にも、適切に管理された森林は、水源を守り、山火事のリスクを減らし、地滑りを防ぐことができる。都市の緑地は、都市部の高温化を緩和し、洪水を減らすことができる。現在、このような解決策を採用する国を拡大するための活動が進められている。