国連環境計画、泥炭地の環境における大きな役割を報告
発表日:2022.11.17
国連環境計画(UNEP)は世界の泥炭地の危機的状況、環境改善において果たす役割、劣化による環境問題などについて評価した報告書を発表した。同報告書は科学者、政府、先住民族など50か国以上220名が提供した空間データなどを基に作成した、泥炭地に関する約15年ぶりの包括的な世界的評価である。毎年50万ヘクタールの泥炭地が世界で消失しているが、排水され劣化した泥炭地は、世界の人為的な温室効果ガス年間排出量の約4%を占めている。泥炭地の損傷や排水が放置される場所では、有害な排出物が何十年にもわたって放出され続けることになる。その一方、泥炭地は世界の地表面積の約3~4%を占め、土壌炭素の3分の1近くを貯留する役割を担っている。また、水をろ過して貯蔵し、きれいな水を供給し、洪水を防ぐなど水循環において重要な役割を担っている上、希少種の生息地であり、世界中の地域社会にとって重要な文化的意味を持つ。泥炭地の保全と回復には資金調達のほか、国が決定する貢献(NDC)に泥炭地を含めることなどが望まれる。
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