ボン条約会合、ソデグロヅルを絶滅から守る新たな保全計画を承認
発表日:2010.06.14
国連環境計画(UNEP)の「移動性野生動物種の保全に関する条約」(ボン条約)の下、ソデグロヅルを絶滅から守るための新たな保全計画が承認された。ソデグロヅルは世界でわずか3000~3500羽しか残っていない絶滅危惧種で、ロシアの繁殖地から休息・採餌地を経て、中国南部やイランの越冬地に向かう経路を、毎年5000キロメートル移動する。こうした渡りの間には、高山や砂漠などの厳しい自然環境があるほか、違法な狩猟や重要な湿地の消失といった人為的脅威にもさらされている。このためUNEPでは、ソデグロヅル保全のための覚書を1993年に策定し、これまで飼育下での繁殖と野生復帰活動、ツルの追跡への衛星技術の応用、狩猟者への指導強化、重要湿地ネットワークの保護などを推進してきた。今回の保全計画では、現在および新たな脅威への対応、ヨーロッパと北アメリカからのアジア地域への知識移転、関係各国の国内法制の改善等が取り入れられ、持続可能な狩猟に向けたアジア地域の枠組みづくりに貢献する。また、渡り経路や越冬地のモニタリングにより生息地の包括的な保全を図る。
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