イギリスの海洋の現状に関する包括的報告書をイギリス機関が発表
発表日:2010.07.21
人間活動や気候変動がイギリスの海洋環境に及ぼす影響をまとめた報告書『Charting Progress 2』(進捗記録)が、イギリス海洋モニタリング評価戦略(UKMMAS)により発表された。海洋分野の科学者らによる5年間の研究をまとめ、国内外の査読を経たもので、権威ある報告書とされる。イギリス環境・食糧・地方事業省のベニヨン政務次官は「イギリスの海洋環境に関する、これまでで最も包括的な報告書であり、生物多様性・生産性の高い、きれいで健全な海の実現に向けた、進展状況のモニタリングと、政府や企業が優先すべき対策の判断ができる」と期待を示した。報告された主な研究成果は、1)20世紀の海面上昇は14cm、海面温度は19世紀末から1℃上昇、2)一部で海鳥およびゼニガタアザラシが減少、3)各種漁業資源は改善、ただし持続可能でない漁獲行為が継続、4)河口で浄化が進み、魚類の多様性・生息数が増加、5)重金属などの有害物質汚染が軽減し、海産食品の放射能汚染、富栄養化、藻類毒素の問題はほぼ解消、6)海岸や沖合にプラスチック類等のごみが蓄積、7)2008年における水産業の経済効果は470億ポンド、8)海洋環境における主要な負荷は、漁業や物理的構造物による海底生息域の損傷・消失、となっている。
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