アメリカ環境保護庁(EPA)、全米有数の土壌汚染地区で11トン以上の汚染物質を浄化
発表日:2008.02.05
アメリカ環境保護庁(EPA)とシェル石油は、カリフォルニア州トーランス近郊のデルアモにある全米有数の土壌汚染地区(スーパーファンド法による優先浄化指定地区)で、約2万3千ポンド(約11トン)以上の汚染物質の除去を実施した。EPAでは今回、地中のバクテリアを利用した土壌浄化システムを採用。真空装置により地中から蒸気を吸い上げ、その大部分に酸素を加えて地中に再注入することにより、地中のバクテリアが活性化し、汚染物質が分解される。また、吸い上げた蒸気の残りは、炭素ろ過システムで浄化後に大気中に放出される。今回の浄化処理にあたり、EPAは地元カリフォルニア州の担当部署や公益団体等との綿密な連携により、浄化方法の選定や住民の安全確保を実施。これまで1年間稼働した結果、約2万3千ポンド(約11トン)以上の汚染物質が浄化されたという。この汚染地区は、第2次世界大戦時に合成ゴム工場の廃棄物投棄地となり、戦後、工場がシェル石油に売却された後も1972年までは利用されていた歴史があり、ベンゼン、ナフタレン、エチルベンゼン等を含む有害廃棄物によって土壌及び地下水が汚染されている。EPAでは、今後10年~15年かけて、この地区の土壌浄化を進めていくという。
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