アメリカエネルギー省（DOE）は、電気と熱に加え水素も供給する、世界初のトリジェネレーション燃料電池と水素スタンドの稼働について声明を発表した。カリフォルニア州ファウンテンバレーの下水処理場に設けられたこの施設では、燃料電池の燃料として下水処理場で発生するバイオガスを使用。1日約100kgの水素を回収する水素精製装置が、燃料電池システムに一体化されており、1日25～50台の燃料電池車を満タンにできる水素をスタンドで一般の利用に供するとともに、下水処理場で使用する約250kWの電力を供給できるという。発電施設と一体化した水素製造は、水素インフラ技術の向上につながり、燃料としての水素の利用促進が期待できる。今回のシステムは、水素の低コスト化に向けた道筋を示し、バイオガスや天然ガスなど多様な原料を利用できる燃料電池の汎用性を実証するものでもあるという。この施設は、DOEをはじめ、カリフォルニア州大気資源局、オレンジ郡衛生区、および民間企業による共同プロジェクトによって開発された。