（独）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）、早稲田大学、JX日鉱日石エネルギー（株）、日立造船（株）、三菱化学（株）、千代田化工建設（株）、（株）ノリタケカンパニーリミテド等のグループは、石油化学工場の蒸留工程における大幅な省エネルギー化を実現するため、工業利用可能な無機分離膜の開発に成功したと発表した。膜による分離・精製を可能とする「無機膜分離技術」は、蒸留工程で消費されるエネルギーを大幅に削減する革新的な技術として期待されている。今回開発した無機分離膜と従来の脱水方法である蒸留工程を組み合わせれば、50%以上の省エネルギー化が可能となる。また、石油化学工場における無機分離膜の実環境下試験で、連続運転200時間超を達成した。2014年度以降は、早期の実用化を目指して、規模を拡大した実証試験の実施を検討するとともに、同プロジェクトで並行して開発している耐酸性の無機分離膜を用いることで、さらに製造量の多い「酢酸」の脱水プロセスへの適用を検討していくという。