（独）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は、加熱すると成形しやすくなる熱可塑性樹脂を用いた「炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス（CFRTP）」を開発したと発表した。これは、NEDOの「サステナブルハイパーコンポジット技術の開発」プロジェクトにおいて、東京大学、東レ（株）、三菱レイヨン（株）、東洋紡（株）、（株）タカギセイコー等のグループが開発したもの。従来の炭素繊維強化熱硬化性プラスチックス（CFRP）は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と一体化したもので、高い強度と計量性を特性とするが、1）設計が難しい、2）金属のような均質材料ではない、3）成形加工時間が長い、4）高価、などの課題を抱えていた。今回開発したCFRTPは、熱硬化性樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂を用いることで、これらの課題を克服。高速成形加工や高汎用性を有する接合を行えるため、量産車に用途が広がり、車体の軽量化（現行比30%程度）やエネルギー消費低減などの効果が期待できる。さらに、再成形ができるためリサイクルが可能となり、循環型社会の実現に大きく寄与することが期待できるという。