気象庁は、2016年5月のエルニーニョ監視速報を発表した。同庁では、エルニーニョ現象など熱帯域の海洋変動を監視するとともに、それらの実況と見通しに関する情報を「エルニーニョ監視速報」として毎月1回（10日頃に）発表している。今回の発表によると、2016年5月の実況は、2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、2016年春に終息したとみられる。これは、エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より0.1℃高く、基準値に近い値となったことや、以下に示した太平洋赤道域の海洋と大気の状態から、予測されたもの。1）海面水温：西部と中部で平年より高かったが、東部では平年並で、平年より低い海域も見られた、2）海洋表層の水温：西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より低い、3）太平洋赤道域の対流活動：日付変更線付近で平年並、4）大気下層の東風：中部で平年並。今後、夏の間にラニーニャ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高いという。