国環研、「流域圏生態系研究プログラム」の成果報告書を公表
発表日:2017.02.28
国立環境研究所は、「流域圏生態系研究プログラム」(研究プログラム総括:今井章雄)の成果報告書を公表した。同報告書は、国内の流域圏(筑波山森林、恋瀬川、霞ヶ浦、東京湾)と国外の流域圏(メコン川)を対象として、生態系機能の評価手法の開発、生態系機能や生態系サービス(生態系が人間にもたらす便益)と環境因子の関係評価等について研究した成果を取りまとめたもの。窒素飽和現象に注目した国内の森林域-河川-湖沼が連なる流域圏では、生態系機能の新たな定量評価手法の開発、生態系機能と環境因子の連動関係の評価、及びそれらに関するモデル解析とシナリオ構築が行われた。これらの科学的知見をメコン川に適用し、漁業生産に注目して持続的な生態系サービスの在り方や、生態系サービスと生物多様性の保全・回復を目指すダム貯水池管理について提言をまとめた。このことから、国内からアジアへの展開を目指す流域圏研究の持続的な発展に対応する研究アプローチの一般化が進んだとしている。