北大、地球温暖化によるコンブ藻場の変動を予測
発表日:2019.10.29
北海道大学は、地球温暖化シナリオ(RCP8.5、RCP4.5)による水温変動を考慮した、コンブ分布域・種数の変動予測結果を発表した。コンブ類は有用な水産資源であり、「藻場」の形成を介して沿岸生態系の生物多様性や生態系サービスに寄与しているが、分布域や種の構成などの実態や変動に関する詳細な解析が不十分であった。同研究グループは、北日本に生息するコンブ11種の出現記録を既存データベースから抽出し、環境情報との関連により種の分布を推定するモデルを用いて1980年代の分布確率を推計するとともに、2つのRCPシナリオによる水温変動予測モデルの値を利用して分布域の変動などを予測した。その結果、1)すべての種の分布域が北上し、日本の生育適地が消失する方向に向かうこと、2)RCP8.5では分布域が0~25%(1980年代比)になること、3)RCP4.5でも11種中4種のコンブが2090年代に日本の海域から消失する可能性があることが示唆された。藻場の維持・保全などにおける「緩和策」推進の必要性を支持し、コンブ漁業の持続に向けた「適応策」の立案に役立つ成果であるという。
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