京都大など、12年にわたる潜水調査データを用いて魚類群集の種間相互作用を解明
発表日:2018.02.08
京都大学と龍谷大学などの国際研究グループは、2002年から2014年にかけて収集した潜水調査データを解析し、魚類群集の個体数増減における種間相互作用を解明した。調査データは、京都府の舞鶴湾に設置した調査ラインおいて、研究者が2週間おきに潜水・記録(約1時間/回)したもので、非線形力学理論に基づき、新たに開発した数理手法により生物種間の関係性と時間変動などを解析した。その結果、1)湾内に生息する主要な15種の生物(14種の魚とクラゲ)の間に働く相互作用の存在が確認され、舞鶴湾の魚類群集は2)夏季に安定し、冬季に不安定になるという季節変動を示すことや、3)魚種が多くなり、種間相互作用が弱められることで安定になることを発見した。今回の成果により、「自然のバランス」変化を捉える上で、長期生態系観測が極めて有効であることが示唆されたという。