京大、琵琶湖で増殖し続けている外来水生植物の分布予測マップを作成
発表日:2019.05.28
京都大学は、外来種の水草「オオバナミズキンバイ(原産:南アメリカなど)」の潜在的生息適地(ポテンシャル・ハビタット)を地図化したと発表した。同種は、生命力が強く、駆除が困難であるため、全国各地で生態系への影響が懸念されている侵略的な外来水生植物のひとつ。同大学は、琵琶湖岸抽水植物群落の地盤高分布に係る調査(2008~2014年)や、GPS機器等を用いて実施した群落の位置に関する踏査(2015年)、日最大風速や風向データの収集・解析結果などを踏まえて、群落周辺の波浪条件(定常的な風の吹くエリアの長さ、有義波高)を算出した。その結果、琵琶湖岸の群落(55か所)において、波の高さが、1)平均18cm 以上の場所では繁殖しない、2)18~8 cmの場合は岸辺の近くで繁殖する、3)8cm以下の場合は陸から離れた場所で繁殖するといった、繁殖状況の違いが生じることを突き止めた。これらの結果に基づき、琵琶湖岸におけるポテンシャルハビタットマップ(冊子体:カラー、135ページ)を作成し、効率的な駆除や生態系の保護につなげたいという。