東大など、「放射性微粒子(通称:セシウムボール)」の溶解挙動を解明
発表日:2019.03.05
東京大学、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構および(国研)日本原子力研究開発機構の研究グループは、福島原発事故により飛散した「放射性微粒子(通称:セシウムボール)」の溶解挙動を解明した。福島原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムの大部分はガス状であったが、一部は直径数 μm以下の微粒子に封じこめられた状態で飛散した。同研究グループは、この微粒子の主成分は珪酸塩ガラスで、鉄や亜鉛などとともに放射性セシウムが溶け込んでいることを見出し(Yamaguchi et al.,2016; Kogure etal.,2016)、珪酸塩ガラスが液中で緩やかに溶解しうる物質であることに着目した。今回、環境中で採取された放射性微粒子を用いて微粒子の溶解実験(溶解による微粒子の放射能の減衰を測定)を行った結果、環境中での純水および海水中における溶解速度の見積に成功した。海水中の溶解速度は純水中よりも1桁近く大きく、福島県沿岸域の海中では半径1 μm程度の放射性微粒子が10年程度で完全に溶解する可能性が示されたという。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS