東京大学と農研機構など、ソルガムの「乾汁性」決定遺伝子を特定
発表日:2018.08.28
東京大学と農業・食品産業技術総合研究機構、名古屋大学、国立遺伝学研究所、基礎生物学研究所、株式会社アースノートおよび信州大学の研究グループは、ソルガムの「乾汁性」決定遺伝子を特定したと発表した。ソルガム茎の水分含量によって規定される「乾汁性」については、乾性と汁性に関与する遺伝子(D遺伝子)の存在可能性が予想されていたが、実体は未解明であった。同研究グループは、汁性のソルガム品種では、茎の柔組織の細胞死が進まず、水分が保持されやすいことに着目し、D遺伝子による柔組織の細胞分化メカニズムの解明を試みた。その結果、D遺伝子や進化的に共通の祖先から派生した遺伝子(ホモログ)が、プログラム細胞死のマスタースイッチとして機能し柔組織の細胞死を引き起こすことを突き止めた。糖やエタノールの生産性向上につながり、さまざまな製糖・エネルギー作物の品種改良に資する成果であるという。