JXTGエネルギー（株）、千代田化工建設（株）、東京大学およびクイーンズランド工科大学（QUT）は、オーストラリア産CO2フリー水素の低コスト製造等に係る技術検証に成功した。この検証は、４者が水素キャリアの製造等に関する技術と知見を持ち寄り、東京大学が主催する社会連携研究「再生可能燃料のグローバルネットワーク」の一環として行われたもの（実施期間：2018年12月5日～2019年3月14日）。今回、追尾型太陽光発電システムの電力を用いて、水とトルエンから直接的に水素キャリア（MCH：メチルシクロヘキサン）を製造する「有機ハイドライド電解合成法」と呼ばれる技術を検証した結果、約0.2kgの水素（CO2フリー水素）の製造が確認され、日本におけるMCHからの水素取り出しに成功した。水電解装置や水素タンクなどが不要となることから、設備費の約50％低減が可能となり、同合成法の導入・社会実装による水素サプライチェーン全体の簡素化が期待できるという。