関西学院大、ヤリタナゴの遺伝的固有性の解明につながる知見を発表
発表日:2019.10.28
関西学院大学は、高等部の教諭が所属する研究グループ(構成:同教諭ほか、国立科学博物館、三重県総合博物館および京都大学の研究者)による、日本国内のヤリタナゴに関する研究成果を紹介した。同種は本州・四国・九州の河川や農業用水路に広く分布するコイ科の淡水魚で、産卵期には鮮やかな婚姻色が現れることから観賞魚や釣りの対象として人気がある。今回、標本の系統解析とミトコンドリアが持つDNA塩基配列の違いを分析したところ、同種は7つの地域固有グループで構成されていることが示唆された。また、自然分布域と考えられてきた関東地方のヤリタナゴは固有の遺伝子を持っておらず、かつての地域固有グループが近畿地方や東海地方からの人為移植によって置き換わってしまった可能性があることや、人為移植による「遺伝的撹乱」の現状が明らかになった。環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されているヤリタナゴの保全を進めていく上で、重要な知見が得られたという。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS