森林総研など、「極端な出水」の河川水質において「懸濁態窒素」情報の重要性を示唆する知見を発表
発表日:2019.11.07
森林総合研究所は、「極端な出水」における河川水質の研究において「懸濁態窒素」の情報が重要になりつつあることを示唆する調査成果を発表した。同研究所は(株)四電技術コンサルタントと共に、高知県西部の森林流域において毎月1回定期的な採水を行い、出水(増水)時に全6回・2時間間隔で懸濁物質(SS)、総窒素(TN)および溶存態窒素(DN)の流出負荷量に関する調査を実施した(調査期間:2010~2012年)。その結果、総降水量742 mm(2011年7月18・19日)規模の豪雨に伴う「極端な出水」1回当たりのDNの指標値(単位面積あたりの流出負荷量)は、総降水量100~300 mmの際の出水時と同等であることが分かった。一方、極端な出水時のTNの指標値は国内のTNの年間負荷量(平均値)に匹敵するものであり、「極端な出水」の場合、DN/TNが5%と低く、窒素流出において「懸濁態」が主流となることが示唆された。記録的な豪雨が頻発し、これまで想定していなかった水道水源の濁度上昇などが懸念される。「極端な出水」が河川水質に及ぼす影響を考える際には、「懸濁態窒素」にも注目する必要があることが示唆された。