東京農工大など、赤材桑(せきざいそう)のリグニン合成メカニズムを解明
発表日:2020.02.19
東京農工大学と(国研)農業・食品産業技術総合研究機構ほか2機関からなる研究グループは、「赤材桑(せきざいそう)」の形質発現の仕組みを調べ、木質バイオマスの利用に適したリグニン合成機構を有していることを明らかにした。赤材桑は、約100年前に北海道の奥尻島で発見された桑の野生種で、木部が幼木の段階から赤色を呈している。同研究グループは、数千年にわたる養蚕の歴史のなかで生み出されてきた日本独自の桑に関する調査や、植物の形質転換に関する研究の一環として、同種の木材に特殊な処理を施し、分解産物を調査するとともに、ゲノム解析などを行った。その結果、木材の20%を占めるリグニンの合成経路が通常の桑とは異なり、リグニン合成に関与する遺伝子が壊れているため独特のリグニン構造を持つことが判明した。一方、同種の木粉を糖化酵素(セルラーゼ)で加水分解したところ、通常の桑よりも糖化性が高いことも分かった。同種はセルロース等の分離が容易で、化学パルプや燃料、化成品の製造に適しているという。
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