帯畜大、木本植物の光獲得メカニズムを発見
発表日:2021.06.21
帯広畜産大学は、ツゲ科の常緑低木「フッキソウ(富貴草)」の光獲得戦略を解明した。発芽した場所から地下茎を伸ばし、より良い環境を求めて移動する草本植物が数多く報告されている。こうした現象は「日陰の回避」や「光資源の探索」と呼ばれているが、木本植物での報告は無かった。同大学は、高さは数10 cmであるが木本植物に属するフッキソウに着目し、北海道帯広市の森林内にある自生地で生育環境と地下茎の発達状況などを調査した。その結果、同種が暗い環境では明るい環境ほど花を咲かせず、地下茎をより細めに長く伸ばし、親株からより遠くの地下茎の先に新たな株(ラメット)を配置していることが分かった。こうした知見は、多様性が保全された森林環境において各階層(高木~低木・草本)が光資源を段階的・相補的に利用する仕組みの解明に応用できるという。
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