北海道、道東沿岸「赤潮」の原因プランクトンが国内初観測の種であると発表
発表日:2021.10.12
北海道は、太平洋海域で発生した赤潮の原因プランクトンが国内初観測の「カレニア・セリフォルミス(学名:Karenia selliformis)」であることを発表した。赤潮は、水中に生存している微細な生物(特に植物プランクトン)が異常に増殖し、水の色が著しく変わる現象。2021年9月中旬、道東沿岸(厚岸(あっけし)から浦河沿岸)にかけて、有害赤潮プランクトンの出現を確認され、ウニやサケなどの漁業被害があった。赤潮の原因を探るための検鏡では、赤潮原因藻類として少なくとも4種類のカレニア属渦鞭毛藻類(うずべんもうそうるい)が確認されたが種名は特定できなかった。そこで、海水中のプランクトンを(地独)北海道立総合研究機構や(国研)水産研究・教育機構などで分析した結果、低水温でも増殖でき、魚類・貝類に有害な植物プランクトンの一種である「カレニア・セリフォルミス」であることを特定した。これは、2020年10月にカムチャッカ半島沿岸で発生した赤潮の原因プランクトンと同一で、同種による赤潮の発生が確認されたのは国内では初めてとなる。また同種の成体等の詳細は明らかになっていないが、人への健康被害は報告されていないという。
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