（株）IHIは、米ボーイング社と航空機電源用の再生型燃料電池システムに関する共同研究を開始すると発表した。再生型燃料電池は、充電可能な燃料電池であり、余剰電力を用いて水を電気分解後、得られた水素と酸素を保存しておき、電力不足の時に、その水素・酸素を使って発電できるのが特長。現在、航空機に必要な電力は、主にジェットエンジン駆動の発電機で発電されており、エンジン出力の低い地上移動時や降下中には電力が不足気味である一方、高度上昇中や巡航中は余裕がある。そこで、再生型燃料電池を組み込んで航空機電力システムを最適化すれば、発電機による発電量低減や電力システムの小型軽量化が可能となり、燃料消費量を削減できるという。同社らは今後、同システムのプロトタイプを試作し、2010～2011年に地上での技術実証試験を行う予定。また、2013年までには、実際の航空機に補助電源として搭載し、実証試験を行う意向という。