井の頭自然文化園、アムールヤマネコの自然繁殖に成功・16年ぶり
発表日:2022.06.02
(公財)東京動物園協会 井の頭自然文化園(所在地:武蔵野市)は、アムールヤマネコ(学名:Prionailurus bengalensis euptilurus)の自然繁殖に成功したと発表した。同園でのアムールヤマネコ誕生は2014年以来のことで、自然繁殖においては2006年以来16年ぶりの快挙。アムールヤマネコは東南アジアに広く分布するベンガルヤマネコの亜種。そのアムールヤマネコの中でも、長崎県の対馬のみに生息する地域個体群を「ツシマヤマネコ」と呼ぶ。井の頭自然文化園では、2000年からアムールヤマネコの飼育を開始し、展示と繁殖を継続してきた。しかし近年は個体の高齢化などが進んだことにより自然繁殖が難しくなってきたため、2012年から日本獣医生命科学大学獣医臨床繁殖学教室と共同で人工繁殖に取り組んでいる。2014年にはアムールヤマネコでは初めての人工授精が成功し、2頭(1頭は死産)の子どもが誕生していた。2021年には、東京都と友好都市提携を結んでいるソウル特別市からペアが寄贈され、翌年3月にこのペアでペアリングを実施したところ、交尾が確認された。今回の発表は、このソウル生まれのペアから4頭の出産が確認されたというもの。これらを通して得られた知見は、地域個体群「ツシマヤマネコ」の保護増殖事業でも役立つものであるという。
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