車載ディスプレイ廃棄塩を肥料に!AGCとユーグレナが国内初成功
発表日:2024.10.17
AGCの100%子会社であるAGCディスプレイグラス米沢(略称:ADY)とユーグレナは、車載ディスプレイ用カバーガラスの化学強化工程で発生する廃棄塩を、肥料原料としてリサイクルすることに日本で初めて成功した。―――ADYは、車載ディスプレイ用カバーガラスの強度を高めるため、硝酸カリウムを主成分とする溶融塩を用いて化学強化を行っている。この工程で使用された塩は焼却処理や埋め立て処理によって廃棄されており、環境負荷につながっていた。また、廃棄塩に含まれる窒素・カリウムは肥料の三要素を構成する重要な成分であるが、日本においてこれらの成分を含む肥料原料は大部分を輸入に依存しており、国際情勢の影響により供給が不安定になりやすいことが懸念されていた。一方、ユーグレナのサステナブルアグリテック事業では、未利用資源を飼料や肥料へと活用し循環型農業の実現に貢献する取り組みを行っている。今回両社は廃棄塩に高濃度の窒素・カリウムが含まれていることに着目し、肥料原料としての活用を実現した。今回の協業を通じて、肥料原料として廃棄塩をリサイクルできることが確認できた。今後はAGCグループから排出される全ての廃棄塩をリサイクルすることを目指し、焼却処理に伴うCO2排出や埋め立て処分による環境負荷を低減するとともに、国内肥料市場での商機拡大をうかがっていくという。―――なお、この肥料はユーグレナから販売が開始されており、製造技術は2024年7月8日にAGCとユーグレナが特許を出願している。