在来カエル類の保全に留意を!アメリカザリガニ対策の新視点
発表日:2024.12.19
岡山大学大学院環境生命科学研究科の研究グループは、アメリカザリガニが「ニホンアカガエル」の卵や幼生を捕食することを実証した。
アメリカザリガニは淡水の生き物の脅威を与えており、2023年6月に「条件付特定外来生物」に指定された。地域固有のカエル類を絶滅に追い込んだ事例も報告されているが、絶滅または減少する理由は特定できていなかった。本研究では、アメリカザリガニとニホンアカガエルの卵や幼生を24時間同居させる水槽実験を行い、その一因を明らかにしている。研究グループの実験では、アメリカザリガニがニホンアカガエルの卵や幼生を積極的に捕食することが確認された。また、隠れ家となる水草を入れた条件下では、小型のアメリカザリガニに対する幼生の生存率は増加することが分かったが、中型・大型のアメリカザリガニでは水草の効果は見られなかった。
これらの知見は、アメリカザリガニの侵入防止や駆除対策が絶滅危惧種を含む在来カエル類の保全において極めて重要であることを示している。アメリカザリガニの管理・駆除対策に"新たな視点"を投げかけている。