森林総研など、オオミズナギドリ繁殖地におけるノネコの捕食圧を評価
発表日:2020.12.08
森林総合研究所、東京大学および(公財)山階鳥類研究所の研究グループは、日本有数のオオミズナギドリ繁殖地である伊豆諸島の御蔵島(みくらじま)において、ノネコ(人が持ち込み野生化したネコ)により1年間に捕食されているオオミズナギドリ羽数を試算した。オオミズナギドリは日本の島嶼部などで夏に繁殖する海鳥で、IUCNレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されている。同島では、1970年代後半には175万~350万羽(推定値)が繁殖していたが、近年、繁殖数が10万羽程度まで減少している。同研究グループは、その一因と見られている「ノネコによる捕食圧」の実態解明に向けて、ノネコの糞の内容物分析などを実施した。その結果、糞の約8割からオオミズナギドリの羽毛や骨などが検出され、ノネコ1匹が平均で年間313羽を捕食していると推定された(哺乳類が1日に必要とするカロリー量ベース)。引き続き、ノネコの個体数推定などに取り組み、オオミズナギドリの効果的な保全対策につなげていくという。
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