三菱HCキャピタル、世界初の商業規模e-メタノール供給を開始
発表日:2025.05.14
デンマークの再生可能エネルギー企業European Energy A/Sが、再エネ由来のe-メタノールの供給を2025年5月13日に開始した。European Energyは三菱HCキャピタル株式会社のグループ会社であり、両社は戦略的パートナーシップのもと、次世代エネルギー分野での事業展開を進めている。
e-メタノールは、グリーン水素とバイオジェニックCO2(生物由来の二酸化炭素)を合成して得られる合成燃料であり、従来の化石燃料由来メタノールに比べて温室効果ガスの排出量が大幅に抑えられる。特に、船舶燃料や化学品・プラスチックの原料としての利用が期待されている。
今回稼働を開始した製造プラントは、304MWの太陽光発電設備と52 MWの水電解装置を備え、年間最大4.2万トンのe-メタノールを生産可能とする。商業規模での製造としては世界初かつ最大規模であり、e-メタノールは海運大手のA.P.モラー・マースク社の輸送燃料や、ノボノルディスク社、レゴ社といった企業のプラスチック原料として使用される予定である。European Energyは、欧州を中心に25カ国で再エネ事業を展開し、累計4.5GW以上の開発実績と65GW以上の開発・建設パイプラインを保有している。2024年10月には、同国で風力発電を活用したグリーン水素製造プラントの運転も開始しており、Power to X分野における先駆者としての地位を確立しつつある。三菱HCキャピタルは、2023〜2025年度中期経営計画において「水素」を重点テーマに掲げ、国内外でのグリーン水素やPower to X分野への取り組みを強化している。国内では、沖縄県宮古島での地産地消型グリーン水素実証事業や、2030年度までの商業規模の水素製造事業の検討も進めている。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS