経産省、2050年を見据えGX ZEH・GX ZEH-Mの定義を改訂
発表日:2025.09.26
経済産業省は、住宅分野における省エネルギー性能の向上と再生可能エネルギーの自家消費拡大を目的として、新たに「GX ZEH」および「GX ZEH-M」の定義を策定した。本定義は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)および集合住宅版ZEH-Mの従来定義を踏襲しつつ、2050年の住宅ストック平均でのZEH水準達成を見据えた高度な省エネ性能とエネルギー自立性を備える住宅像を提示している。
GX ZEHシリーズは、断熱性能の強化、高効率設備の導入、再生可能エネルギーの活用により、年間一次エネルギー消費量の収支ゼロまたはマイナスを目指す住宅群である。GX ZEH+、Nearly GX ZEH、GX ZEH Orientedなどの区分が設けられ、地域特性(多雪地・都市部狭小地)や性能達成度に応じた分類が可能となっている。
集合住宅向けのGX ZEH-Mシリーズも同様に、GX ZEH-M+からGX ZEH-M Orientedまでの区分が定義され、住棟単位・住戸単位の両面から評価される。評価項目には断熱等性能等級6のUA値・ηAC値、一次エネルギー消費量削減率(最大115%以上)などが含まれ、設計段階での性能評価が求められる。
GX ZEH・GX ZEH-Mの認定取得には、定置用蓄電池の導入や高度エネルギーマネジメント(HEMSによる制御)、EV充電設備の設置検討などが推奨・必須要件として盛り込まれている。再生可能エネルギーの供給は敷地内(オンサイト)に限定され、自家消費分に加え売電分も評価対象となるが、余剰電力の買取が基本とされる。
本定義は2027年4月以降に適用され、現行定義の新規取得は2028年3月まで可能。ZEH・ZEH-M委員会には大学・業界団体・行政機関が参画しており、制度設計の透明性と実効性が確保されている。GX ZEH・GX ZEH-Mは、住宅分野のGX(グリーントランスフォーメーション)を牽引する制度として、今後の普及と社会実装が期待される。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS