JBO4:ESG投融資・農林水産業・消費行動等の取り組み遅れを指摘
発表日:2025.10.22
環境省(自然環境局自然環境計画課)は、有識者検討会の協力を得て、「生物多様性及び生態系サービスに関する総合評価2028(JBO4)」に向けた中間提言を公表した。この提言は、国家戦略2023–2030に基づく15の状態目標の達成状況を、2020年を基準年とした短期トレンド評価により整理したものであり、2030年の「ネイチャーポジティブ」実現に向けた中間レビューとなる。協力機関として、いであ株式会社が調査・分析支援を担っている。
検討会は、JBO4の中間提言において、国家戦略の基本戦略(生態系の健全性回復、自然の活用、経済との接続、生活・消費行動の変容、基盤整備と国際連携)に沿って、各状態目標の達成状況を科学的に評価した。約470の指標候補から322指標を選定し、A〜Cランクで分類した上で、信頼性を2段階(高・低)で設定して総合評価を実施している。例えば、状態目標1-2(種レベルの絶滅リスク低減)では、Red List Indexを用いた短期トレンド評価が示されている。また、我が国の生物多様性が依然として損失傾向にあるとしつつも、社会経済状況の一部には改善の兆しが見られると評価している。その上で、2030年の目標達成に向けては、産官学民の連携・協働による多角的な取組の加速化が不可欠であると指摘している。特に、ESG投融資の推進、持続可能な農林水産業の拡大、消費行動の変容、途上国支援などの分野において、より実効性の高い施策が求められるとした。JBO4は、こうした提言を踏まえ、国家戦略の進捗を科学的に検証する基盤として、2028年に正式公表される予定である。
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