生成AI利用格差は構造的要因に由来、学習・生産性への影響懸念
発表日:2026.01.13
千葉大学予防医学センターの中込敦士准教授らは、日本全国のインターネット利用者を対象に生成AIの利用実態を調査し、利用率と非利用理由の構造的格差を明らかにした(掲載誌:Telematics and Informatics)。
生成AIは文章作成や情報検索など生活や仕事を変える技術として急速に普及しているが、日本では高齢化やデジタル能力差により「AI格差」が懸念されていた。本研究は全国規模で初めて、誰が使い、誰が使わないのかを体系的に検証したものである。
本調査は2025年1月に行われた。全国のインターネット利用者13,367人を対象として、過去1年間の生成AI利用状況と非利用理由を収集し、年齢、性別、学歴、職業、居住地域、デジタルリテラシーなどの要因を統計解析するとともに、複数の非利用理由を同時に扱う解析手法を用いて、属性ごとの特徴を比較した。
その結果、生成AI利用者は全体の21.3%にとどまり、若年層(18〜54歳)は75歳以上より約1.4〜1.7倍、男性は女性より約1.8倍、高学歴者や都市部居住者も高率であるといった傾向が判明した。また、非利用の理由としては「必要性を感じない」(39.9%)が最多で、若年層では「魅力的なサービスがない」、中高年層では「使い方がわからない」「セキュリティ不安」が多かった。これにより、生成AIを利用しないという選択は、関心不足のみならず、「年齢・教育・デジタル環境に根ざした構造的格差」に起因することが示唆された。
中込敦士准教授は、AI格差が学習機会や生産性の格差を拡大させる可能性を指摘している。今後は、生成AI利用が生活や健康に与える影響を縦断的に検証し、年齢やリテラシーに応じた支援策を検討する方針だ。
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