愛知の会社員ら、小笠原諸島産カタビロアメンボ不明種を新種記載
発表日:2026.02.01
愛知県の会社員・松島氏らの研究チームは、小笠原諸島において長年「不明種」とされてきたカタビロアメンボについて分類学的検討を行い、未記載種であることを明らかにした。研究チームは、本種を新種として記載し、「和名:イルカケシカタビロアメンボ、学名:<i> Microvelia (Pacificovelia) amphitrite Matsushima & Watanabe, 2026</i>」と命名した。
本研究では、野外調査や父島での観察会で得られた標本に加え、過去の報告で用いられた証拠標本などを精査した。その結果、雄の前脚・中脚および交尾器の形態的特徴から、本種がケシカタビロアメンボ属のPacificovelia亜属に属することが示された。さらに、体表を覆う長く直立した剛毛などの形態的特徴に基づき、既知種とは異なる未記載種であると判断された。
本種については、小笠原諸島という一度も陸続きになったことのない海洋島に分布することや、雄の交尾器側片がイルカを想起させる形状を持つことなどの特徴を踏まえ、学名に <i>amphitrite</i>が付与された。和名の「イルカケシカタビロアメンボ」も、本種の特徴と学名に由来する。
併せて本研究では、小笠原諸島に分布するケシカタビロアメンボ相の再検討も行われた。その結果、過去に<i>Microvelia douglasi</i>として記録されていた標本は、本新種または2023年に記載されたオガサワラケシカタビロアメンボのいずれかであることが示された。また、両種の食性調査では、捕食対象の半数以上が外来種であることが確認された。本成果は、石川県ふれあい昆虫館により公表された。