日本電気（株）（NEC）は、天候変化の影響を受けずに、あらゆる場所で生態観測などができる、光解析技術を開発したと発表した。近年、物体が反射する目に見えない波長まで含めた光の組成（分光スペクトル）を解析することで、肉眼では分からない物体の材質や状態を把握し、広大な地上や洋上の情報解析に応用するための技術開発が進められている。今回開発した技術は、観測した分光スペクトルから、物体の材質や状態を表わす情報（表面反射率）を、天候の影響を受けることなく、安定かつ正確に推定するもの。従来は曇天下では難しかった植物の種類を正確に判別するなどのことが可能になる。また、観測される分光スペクトルのみから物体の表面反射率が推定できるため、従来のように基準物体を観測対象の近辺に設置する必要がなく、基準物体の設置が難しい森林の奥地における生態観測などを可能にするという。