国連環境計画(UNEP)は、海洋プラスチックごみ削減のためプラスチックに代わる材料を利用する可能性を分析した。報告書では、食品容器や合成繊維、梱包用のバラ状緩衝材など、主な海洋プラスチックごみを特定したうえ、化石燃料に由来する従来のプラスチックと、動植物に由来する天然材料やバイオマスに由来する次世代バイオポリマーとの間で利点と欠点を比較した。使い捨てプラスチックの代わりに、紙、綿、木材など従来から知られている材料のみならず、藻、菌、パイナップルの葉なども利用できるという。報告書は、乾燥させ磨り潰した果物の皮と天然接着剤を混合して成型する技術など25の事例を紹介している。代替材料の利用は、貧困撲滅、地域社会のレジリエンス向上、廃棄物の抑制などの持続可能な開発目標(SDGs)と関連することも指摘した。執筆者は、「現在のプラスチックの使用と廃棄に疑問を持ち、別の方法を検討するきっかけになれば」と述べている。