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 欧州環境庁、ヨーロッパと世界で水銀汚染は未だ深刻と報告

発表日:2018.09.19


  欧州環境庁(EEA)は、報告書「ヨーロッパの環境中の水銀」を発表し、環境と人間のリスクとなっている水銀汚染の現状を報告した。ヨーロッパでは水銀使用の制限・禁止や排出基準の制定等により排出量は減少し、現在の排出源はほぼ石炭や木材等の固形燃料の燃焼に限られているが、世界的にみると金鉱や工業生産過程からの排出により排出量は増加し続けている。毎年ヨーロッパの環境中に堆積する水銀の半分は域外に由来するという。水銀は難分解性で、いったん放出されると何千年も環境中を循環する。現在の大気中の水銀濃度は自然状態の最大5倍、海洋中は約2倍である。河川、海洋等水中の水銀は毒性の強い形態をとっており、魚類や哺乳類が吸収すると、これらを食料とする人間に大きなリスクとなる。最新の調査では、EU内の地表水域約11万1000ヵ所中約4万6000ヵ所が魚食性の哺乳類・鳥類保護のための水銀基準を上回っていた。報告書は、直ちに世界的な行動を起こしたとしても産業化以前の濃度まで汚染を回復するには長い時間がかかると警告している。

情報源 欧州環境庁(EEA) プレスリリース
国・地域 EU
機関 欧州環境庁(EEA)
分野 健康・化学物質 自然環境 水・土壌環境
キーワード 水銀 | 欧州環境庁 | 固形燃料 | ヨーロッパ | 水銀濃度 | 水銀汚染
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