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 世界資源研究所、山頂を削る石炭露天掘によってアメリカ南部の森林が減少と発表

発表日:2010.07.30


  世界資源研究所は、山頂を削る石炭露天掘(Mountaintop removal)によって、アメリカ南部アパラチア山系の森林が広範に減少していると発表した。この採掘法は、山肌を爆破して広範囲に表土を除去し、石炭層を露出させるもので、石炭の採集効率が高く低コストのために多用されるが、表土や植物をすべて除去し、瓦礫を隣接の谷に捨てるため、大規模な森林破壊と周辺河川の埋め立てを伴う。そのため、炭素固定や水質など、森林に依存する生態系サービスに悪影響を及ぼしている。EPAは、2010年末までにアパラチア山系で140万エーカーという広大な森林が伐採されると試算しており、その被害の拡大状況は、ウェブ上に新たに公開された地図、SeeSouthernForests.orgでも確認できる。2010年1月に、アメリカの科学者が連名で論文を発表し、この採掘法による環境・健康影響として、生殖毒性のあるセレンの流出による河川の水質汚染や、有害な粉塵による疾病被害などを報告した。これに続き、EPAや陸軍工兵隊などでも、アパラチア山系における同採掘法への対策強化に動き出している。

情報源 世界資源研究所(WRI) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 世界資源研究所(WRI)
分野 水・土壌環境
キーワード 石炭 | 世界資源研究所 | WRI | 生態系サービス | 森林破壊 | セレン | 環境影響 | 粉塵 | 露天掘 | アパラチア山系
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